Author: | 高畑美代子 | ISBN: | 1230002065663 |
Publisher: | かなめ出版 | Publication: | December 28, 2017 |
Imprint: | Language: | Japanese |
Author: | 高畑美代子 |
ISBN: | 1230002065663 |
Publisher: | かなめ出版 |
Publication: | December 28, 2017 |
Imprint: | |
Language: | Japanese |
ー はしがきより一部抜粋 ー
明治十一(一八七八)年に来日したイザベラ・パードの日本旅行記(『日本の未踏路』)は明治十三(一八八O)年にロンドンで二巻本として出版された。
一八八五年にロンドンでこの本の省略版が出版され、欧米ではこの一八八五年の省略版で読み継がれてきた。日本でも一九七三年にその省略版が高梨健吉訳『日本奥地紀行』として平凡社から出版されて以来ここまで読み継がれてきた。
二OO八年になって、初版の二巻本の完訳が刊行されて、日本語で関西旅行や居留地の記述を含む
全体が読めるようになった。しかし、イザベラ・バードの日本旅行記の中で高い評価を受けたのは、それまで西洋人が誰も書
かなかった東北日本海側や北海道のアイヌの珍しい記述があったからである。
本書では、英国女性の目に映った東北・北海道は、実際はどのような世界であったのかを当時の統計表や記述をもとに探ろうという試みの一環として、特に本州最北端の青森県の日本海側つまり津軽を舞台として検証を進めた。時代が明治へと遷り日本が激変していた時代に、羽州街道沿いの町村がそれをどのように受け止めていたのかを一人の外国の女性の視座を通して知ることができると考えるものである。
高梨健吉訳『日本奥地紀行』と、削除された部分を復活させた拙著『イザベラ・パード「日本の未踏路」完全補遺』に残された彼女自身の声に耳を傾けながら秋田ー青森県境から津軽地方の明治十一年を蘇らせてみたい。
本書は青森県弘前市の陸奥新報に二OO七月九日十二日から二OO八年十一月十九日まで週に一回連載した同名の記事に加筆・修正を施したものである。
ー はしがきより一部抜粋 ー
明治十一(一八七八)年に来日したイザベラ・パードの日本旅行記(『日本の未踏路』)は明治十三(一八八O)年にロンドンで二巻本として出版された。
一八八五年にロンドンでこの本の省略版が出版され、欧米ではこの一八八五年の省略版で読み継がれてきた。日本でも一九七三年にその省略版が高梨健吉訳『日本奥地紀行』として平凡社から出版されて以来ここまで読み継がれてきた。
二OO八年になって、初版の二巻本の完訳が刊行されて、日本語で関西旅行や居留地の記述を含む
全体が読めるようになった。しかし、イザベラ・バードの日本旅行記の中で高い評価を受けたのは、それまで西洋人が誰も書
かなかった東北日本海側や北海道のアイヌの珍しい記述があったからである。
本書では、英国女性の目に映った東北・北海道は、実際はどのような世界であったのかを当時の統計表や記述をもとに探ろうという試みの一環として、特に本州最北端の青森県の日本海側つまり津軽を舞台として検証を進めた。時代が明治へと遷り日本が激変していた時代に、羽州街道沿いの町村がそれをどのように受け止めていたのかを一人の外国の女性の視座を通して知ることができると考えるものである。
高梨健吉訳『日本奥地紀行』と、削除された部分を復活させた拙著『イザベラ・パード「日本の未踏路」完全補遺』に残された彼女自身の声に耳を傾けながら秋田ー青森県境から津軽地方の明治十一年を蘇らせてみたい。
本書は青森県弘前市の陸奥新報に二OO七月九日十二日から二OO八年十一月十九日まで週に一回連載した同名の記事に加筆・修正を施したものである。