Author: | 中村 圭子 | ISBN: | 1230001829372 |
Publisher: | イーブックスパブリッシング | Publication: | August 31, 2017 |
Imprint: | Language: | Japanese |
Author: | 中村 圭子 |
ISBN: | 1230001829372 |
Publisher: | イーブックスパブリッシング |
Publication: | August 31, 2017 |
Imprint: | |
Language: | Japanese |
〜はじめに より一部抜粋〜
皆様、はじめまして。中村圭子と申します。私は戦時下の昭和7(1932)年にこの世に生を受け、小学生時代を戦争とともに過ごしました。
終戦を迎えたのは13歳。女学校時代のことです。戦後の焼け跡ヤミ市の時代は、か細い腕で切り抜けなければいけませんでした。
そして、青春時代を日本の高度成長期とともに過ごしました。言ってしまえば、あの時代に生きた人間なら誰でもが歩むような、
何の変哲も無い人生を歩んできた人間なのです。そんな一人の女性が、自らの足跡を皆様の前にご披露申し上げたところで、退屈されるばかりのような気も致します。
しかしその一方で、私の戦争体験を封印したままで、誰にも伝えずに人生の幕を引くことに、大きな躊躇を抱いています。
戦争のことを語り伝えられる世代は、もう私たちの世代しかおりません。私の戦争体験、そしてそこから続いていく青春時代、
壮年期、老年期、それは極めて個人的な体験でしかないでしょう。
しかし、10人が個人的体験を語れば10の物語ができ、100人が語れば、例えその一つひとつが個人的な体験であっても、
それらの物語を重ね合わせていけば、一つの時代の持つ意味や社会の深層が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
そして、私が生きた時代、特にあの戦争のことは、その時代を生きた一人ひとりが語り継がなければいけない重要な時代なのだと思います。
そんな思いから、何の社会性も持たない極めて個人的な体験の積み重ねでしかない私の足跡を、皆様の前にご披露申し上げる次第です。
そして、今申し上げた私の切なる思いに共感される方がいらっしゃることを、乞い願うばかりです。
〜はじめに より一部抜粋〜
皆様、はじめまして。中村圭子と申します。私は戦時下の昭和7(1932)年にこの世に生を受け、小学生時代を戦争とともに過ごしました。
終戦を迎えたのは13歳。女学校時代のことです。戦後の焼け跡ヤミ市の時代は、か細い腕で切り抜けなければいけませんでした。
そして、青春時代を日本の高度成長期とともに過ごしました。言ってしまえば、あの時代に生きた人間なら誰でもが歩むような、
何の変哲も無い人生を歩んできた人間なのです。そんな一人の女性が、自らの足跡を皆様の前にご披露申し上げたところで、退屈されるばかりのような気も致します。
しかしその一方で、私の戦争体験を封印したままで、誰にも伝えずに人生の幕を引くことに、大きな躊躇を抱いています。
戦争のことを語り伝えられる世代は、もう私たちの世代しかおりません。私の戦争体験、そしてそこから続いていく青春時代、
壮年期、老年期、それは極めて個人的な体験でしかないでしょう。
しかし、10人が個人的体験を語れば10の物語ができ、100人が語れば、例えその一つひとつが個人的な体験であっても、
それらの物語を重ね合わせていけば、一つの時代の持つ意味や社会の深層が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
そして、私が生きた時代、特にあの戦争のことは、その時代を生きた一人ひとりが語り継がなければいけない重要な時代なのだと思います。
そんな思いから、何の社会性も持たない極めて個人的な体験の積み重ねでしかない私の足跡を、皆様の前にご披露申し上げる次第です。
そして、今申し上げた私の切なる思いに共感される方がいらっしゃることを、乞い願うばかりです。