関東･ザ･パニック

福島の原発事故がもたらす恐怖。原発事故が起こり、二年の月日が流れた。東北の生態系に何の異変も起こらないのかと、疑いを持つ東都大学・村田教授と主人公の田所慎一郎が水面下での調査を行う。調べていくうちに、東北のみならず、関東でも、その脅威に晒されていくのではないかとの推論に達する。驚くほど一致するが、裏付けが取れないうちにパニックの兆しを見せ、東京を中心に黒い影が忍び寄る。上辺だけの対策で逃げようとする政府。関東の危機を懸念して、総理に進言する村田教授。その教授の手足となり動き回る慎一郎。

夏虫やネズミの異常発生。感染症の蔓延。さらには政府とデモ隊との衝突。原発事故と、どう繋がっているのか？　脅威の真実は、一旦治まった後に、明らかになる。フィクションでありながら、フィクションとも思えないストーリー。瀬比亜零が半年掛けて調べ上げ書き尽くしたパニック小説。