日本古流生花

ー 発刊に寄せて ー

日本古流の流祖に十五歳から手ほどきをしていただいて以来、いけばなとの関わり合いは、
七十数年になりましたが、永いようで短い年月でした。

戦後、現代花が隆盛なときには、生花は少々下火になりました。
ここにきて生花の良さが見直されてきますと、初代かた受けた薫陶の数々が思い出されます。
そこで、作品を通して初代の教えを皆様に伝えることが出来たらとの思いから、生花・格花だけの作品集に挑戦してみました。

三年余りの歳月を費やしてしましましたが、その間「花が私の生命」であることを実感しました。
出来上がってみますと、この作品もあの作品も入っていないのが気になりますが、
創流百周年のお祝いに間に合ったのは幸いでした。

平成十二年一月吉日
三世家元　角田一忠