Author: | 井口俊英 | ISBN: | 1230000252888 |
Publisher: | TI Books | Publication: | July 17, 2014 |
Imprint: | Language: | Japanese |
Author: | 井口俊英 |
ISBN: | 1230000252888 |
Publisher: | TI Books |
Publication: | July 17, 2014 |
Imprint: | |
Language: | Japanese |
西陽銀行ニューヨーク支店勤務の田代勇作は、土曜日、友人の赤井啓太に誘われて、クラブ「ボストン」に行く。そこで、日系アメリカ人のナオミ・サイジョウに出会い、彼女のアパートに誘われる。二人は数時間にわたる情交におよび、午前十二時勇作はアパートを辞退する。
その翌々日、西陽銀行に警官を伴ったニューヨーク市警の刑事があらわれ、勇作に土曜日の夜ナオミ・サイジョウに会ったかと聞く。勇作は、午後八時半から午前十二時までナオミと彼女のアパートで過ごしたと正直に供述するが、同時に意外な事実を聞かされる。翌朝ナオミは死体で発見され、検案の結果、土曜日午後十時ごろ何者かに強姦されたあげく枕を被せられて窒息死していたことが判明した。ナオミが殺害された前後二時間事件現場にいたと供述した勇作は強姦殺人の容疑で逮捕される。
西陽銀行は、即刻、曽根弁護士を勇作のもとに送る。保釈手続きを終えて、曽根法律事務へ行った勇作は、無実を主張するが、陪審制度による公判で勝たなければ有罪になると言われる。
検察側には、午後十時という死亡推定時刻、ガイシャの性器に付着していた勇作の精子、リビングにあったスコッチ入りのグラスから採集された勇作のDNAと指紋など、強力な証拠が揃っており、無罪を勝ち取るためには、大々的な調査をして真犯人の正体に迫るほかはない。
ところが、西陽銀行本社は殺人犯の弁護士費用を負担するわけにいかないとの方針を打ち出す。勇作は無罪になれば支払ってもらえることを確認し、曽根に「あなたは、必要なだけの軍資金があれば、まちがいなく僕の冤罪を晴らすことができる弁護士だ」と曽根に成功報酬で弁護を引き受けてくれるよう説得する。
曽根は二人の調査員を雇い、調査を開始する。ある日、四年前に居酒屋で知り合った翔子が勇作のアパートに現れる。翔子は勇作の両親からも娘のように可愛がられ、冤罪で戦う勇作のもとにいってくれと頼まれた。その日から、二人の戦いが始まる。
勇作は午前十二時にナオミと別れの挨拶をしたと主張し、科学的な死体反応はナオミがほぼ間違いなく午後十時に息をひきとっているとするなか公判の日は刻々と近づいてゆく。
別のシーンでは、東陽銀行のニューヨーク支店長を五年間務め、常務取締役に昇進して帰国した江上一郎が青酸カリを飲んで自殺する。葬儀の翌日、一人娘の里香は父の親友だという男(竹下)の電話を受け、憔悴している母の代理として竹下に会う。竹下によれば、ニューヨークにいた間、父はもと部下であった女性と間違いを起こし、子供ができてしまい、ずっとその女性に生活費を払わされていたという。にわかに信じがたい話に呆然としていた里香の前に、竹下は父が捺印した一億三千万円の借用書を出す。同時に父からの遺書もあり、生命保険をこの借金にあててほしいと書いてあった。今後の生活費として当てにしていた生命保険がなくなり、里香は女の非道さに復讐を誓う。
女の名はナオミ・サイジョウ。里香はその女に会うため再度ニューヨークに舞い戻る。ナオミのことで竹下を訪ね、相談しているうちに、竹下の近辺から不審な事実が浮かび上がり里香は、竹下こそが父を恐喝した黒幕だと悟る。二人は手を組んで父を恐喝していた。ナオミが里香に真相をバラすことを、竹下が恐れているとみて、里香は竹下にナオミに対する復讐を迫る。竹下は了解し、里香をアパートに呼び、その計画を打ち明ける。
一方、曽根は、様々な新事実から、勇作が寝たのはナオミでなく、江川一郎の娘・里香ではないかと疑い始める。ナオミは別の部屋で午後十時に殺され、勇作と里香がアパートを出た後、犯人が死体をナオミのアパートに戻したのではないかと。
公判の二週間前、曽根の元にシンデレラという名の差出人からメールが届く。自分は真犯人の正体を知っていると。曽根はそれが里香であることを見抜き、里香のアドバイザーとして成田へ飛ぶ。里香は曽根にすべてを話し、証拠となる会話の録音と写真を渡す。
明日、陪審員の選択があるという日、勇作は曽根から起訴が取り下げになったと連絡を受ける。検察は、誤認を認め、竹下を逮捕し、田代勇作は自由の身となる。
西陽銀行ニューヨーク支店勤務の田代勇作は、土曜日、友人の赤井啓太に誘われて、クラブ「ボストン」に行く。そこで、日系アメリカ人のナオミ・サイジョウに出会い、彼女のアパートに誘われる。二人は数時間にわたる情交におよび、午前十二時勇作はアパートを辞退する。
その翌々日、西陽銀行に警官を伴ったニューヨーク市警の刑事があらわれ、勇作に土曜日の夜ナオミ・サイジョウに会ったかと聞く。勇作は、午後八時半から午前十二時までナオミと彼女のアパートで過ごしたと正直に供述するが、同時に意外な事実を聞かされる。翌朝ナオミは死体で発見され、検案の結果、土曜日午後十時ごろ何者かに強姦されたあげく枕を被せられて窒息死していたことが判明した。ナオミが殺害された前後二時間事件現場にいたと供述した勇作は強姦殺人の容疑で逮捕される。
西陽銀行は、即刻、曽根弁護士を勇作のもとに送る。保釈手続きを終えて、曽根法律事務へ行った勇作は、無実を主張するが、陪審制度による公判で勝たなければ有罪になると言われる。
検察側には、午後十時という死亡推定時刻、ガイシャの性器に付着していた勇作の精子、リビングにあったスコッチ入りのグラスから採集された勇作のDNAと指紋など、強力な証拠が揃っており、無罪を勝ち取るためには、大々的な調査をして真犯人の正体に迫るほかはない。
ところが、西陽銀行本社は殺人犯の弁護士費用を負担するわけにいかないとの方針を打ち出す。勇作は無罪になれば支払ってもらえることを確認し、曽根に「あなたは、必要なだけの軍資金があれば、まちがいなく僕の冤罪を晴らすことができる弁護士だ」と曽根に成功報酬で弁護を引き受けてくれるよう説得する。
曽根は二人の調査員を雇い、調査を開始する。ある日、四年前に居酒屋で知り合った翔子が勇作のアパートに現れる。翔子は勇作の両親からも娘のように可愛がられ、冤罪で戦う勇作のもとにいってくれと頼まれた。その日から、二人の戦いが始まる。
勇作は午前十二時にナオミと別れの挨拶をしたと主張し、科学的な死体反応はナオミがほぼ間違いなく午後十時に息をひきとっているとするなか公判の日は刻々と近づいてゆく。
別のシーンでは、東陽銀行のニューヨーク支店長を五年間務め、常務取締役に昇進して帰国した江上一郎が青酸カリを飲んで自殺する。葬儀の翌日、一人娘の里香は父の親友だという男(竹下)の電話を受け、憔悴している母の代理として竹下に会う。竹下によれば、ニューヨークにいた間、父はもと部下であった女性と間違いを起こし、子供ができてしまい、ずっとその女性に生活費を払わされていたという。にわかに信じがたい話に呆然としていた里香の前に、竹下は父が捺印した一億三千万円の借用書を出す。同時に父からの遺書もあり、生命保険をこの借金にあててほしいと書いてあった。今後の生活費として当てにしていた生命保険がなくなり、里香は女の非道さに復讐を誓う。
女の名はナオミ・サイジョウ。里香はその女に会うため再度ニューヨークに舞い戻る。ナオミのことで竹下を訪ね、相談しているうちに、竹下の近辺から不審な事実が浮かび上がり里香は、竹下こそが父を恐喝した黒幕だと悟る。二人は手を組んで父を恐喝していた。ナオミが里香に真相をバラすことを、竹下が恐れているとみて、里香は竹下にナオミに対する復讐を迫る。竹下は了解し、里香をアパートに呼び、その計画を打ち明ける。
一方、曽根は、様々な新事実から、勇作が寝たのはナオミでなく、江川一郎の娘・里香ではないかと疑い始める。ナオミは別の部屋で午後十時に殺され、勇作と里香がアパートを出た後、犯人が死体をナオミのアパートに戻したのではないかと。
公判の二週間前、曽根の元にシンデレラという名の差出人からメールが届く。自分は真犯人の正体を知っていると。曽根はそれが里香であることを見抜き、里香のアドバイザーとして成田へ飛ぶ。里香は曽根にすべてを話し、証拠となる会話の録音と写真を渡す。
明日、陪審員の選択があるという日、勇作は曽根から起訴が取り下げになったと連絡を受ける。検察は、誤認を認め、竹下を逮捕し、田代勇作は自由の身となる。